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10ギガビットデータコムトランシーバ世界市場フォーキャスト

高速データコムトランシーバ市場は1998年にフルスピードファイバチャネル(FC)とギガビットEthernetの成功で始まった。VCSELトランシーバの成功と相俟ってこれらの市場は1999年には三倍に拡大した。通信業界の不況が回復の兆候を見せていることから、データコムの世界は10Gb/sリンク利用が拡大しそうになっている。データコムトランシーバのこの速度カテゴリーが活性化しているのは、従来のデータコム(Ethernetとファイバチャネル)が増えていることと同じ10Gbpsデータコムトランシーバを使用する交点が新たに出てきたからである。 

エレクトロニキャストによると、リセッション期のベースラインとなる2002年からのフォーキャストでは、世界のトランシーバ市場は2003年の24300万ドルから2007年には351000万ドルに急拡大する。しかし、平均販売単価(ASP: Average Selling Price)の年あたりの下降が激しいので予測期間(2007-2012)の後半では、トータルの市場消費額は相殺されることになる。とは言え、これは重要なことだが、消費される個数は急増すると予測されている。2003年には225,000ユニットだが、これが年率139%の成長で2007年には690万ユニットに達する。2007-2012には年率平均21.7%でさらに成長して2012年には1840万ユニットに達する。

10Gbpsデータコムトランシーバ市場を大きく成長させる要因としては次のことが考えられる。
  











データコム標準が急速に進んだこと
10GbpsEthernet標準:IEEE802.3標準グループ
ファイバチャネルの成功は続いており、10GbEに続いて10Gbpsに移行する

通信(交差するアプリケーション、特にアクセスリンク)の浸透
10GbpsVSR SONET/SDHへのローコストソリューション

イントラシステムアプリケーションに好機
インフィニバンドスイッチファブリックには10Gbpsデータコムトランシーバを用いるものも出てくる
システム間のVCSELアレイの積極導入、これらの中には10Gbpsデータコムトランシーバを用いるものもある

データコムとテレコムの交差点 

10Gbpsデータコムトランシーバの登場で、初めてデータコムとテレコム市場が同じビットレートで統合された。その結果、これら2つの市場セグメントで技術と製品の共有が進むことになる。先ず、すでにテレコム市場向けに開発されている10Gbps技術とトランシーバモジュールがデータコムアプリケーションでも用いられるようになる。しかし、データコムは常にローコストのコネクタ付トランシーバモジュールを求めており、これら2つの市場はしばらくはコンポーネントレベルで明確に区別されることになる。

したがって、10Gbpsテレコムトランスポンダが上のデータコムアプリケーションに用いられる範囲でエレクトロニキャストのフォーキャスト分析には含まれる。それ以外のテレコムトランスポンダなどのアプリケーションはこのフォーキャストには含まれない。

インフィニバンドや独自の光インターコネクションも状況は同じことだ。インフィニバンド市場の一部、独自のインターコネクション市場の一部でもわずかに10Gbpsデータコムトランシーバが用いられることになるだろう。つまり、これらの10Gbpsアプリケーションはこのフォーキャストに含まれる。それ以外のインフィニバンド市場(2.5Gb/s30Gb/s)などはこのフォーキャストはカバーしていない。また、これ以外に含まれないものとして、独自のインターコネクションや光バックプレーン市場で用いられるワイドアレイVCSELトランシーバ(12chアレイVCSELモジュールなど)がある。これらの市場は、エレクトロニキャストのVCSELトランシーバフォーキャスト分析で詳細にカバーされている。このように、含まれたり含まれなかったりするのは、この10Gbpsデータコムトランシーバフォーキャストで一貫性を維持するためである。

このフォーキャストは、10Gbpsデータコム光トランシーバの全市場アプリケーションをカバーしようとするものである。したがって、このレポートのほとんどのアプリケーションはデータコムアプリケーションに分類されるものとなる。しかし、データコムとテレコムのコンポーネントおよび市場は重なるところがあり、今後も重なるところが出てくる。そのため、データコムトランシーバ市場をより完全に評価するために、エレクトロニキャストは関連するテレコムアプリケーションを含めている。例えば、OC-192 VSRなどで、これは同じデータコムモジュールを使用することになるものだ。

このフォーキャストでカバーされているこれらのアプリケーションは以下の通りである。

10GbpsEthernet
10Gbpsファイバチャネル
10Gbpsインフィニバンドリンク
独自の10Gbpsインターコネクト
OC-192 VSR

トランシーバの定義(対トランスポンダ)

トランスミッタとレシーバを組み合わせて、トランシーバはロジックレベルの電気信号と光ファイバを伝送する光信号との変換をする。

従来のデータコムアプリケーションでは、動作速度は1Gbpsまでであり、光トランシーバは単純なロジックと光との変換だけで、電気信号のそれ以外の変換はしなかった。トランシーバはデータネットワークのPhysical Media Dependent(PMD)の一部である。すべてのPHY機能はトランシーバにつながるPHYチップセット内部で行われた。ここには、SerDes機能が含まれ、SerDesは通信装置内の並列データストリームをトランシーバを駆動するシリアルデータストリームに変換する。

単純なトランシーバ機能からPHY機能が明確に分離した一つの理由は、異なるPMDsの収容が容易にすることがあった。例えば、OEMはマルチモードトランシーバをシングルモードに変えることができる。この際、サーキットボードの変更は不要だ。

データコムトランシーバの光コネクタは、昔からデュプレクス光コネクタが普通である。この点の注意が必要だ。

通信業界はコンポーネントから組み立てるラインカードを捨てつつある。つまり、モジュラーソリューションに移行しつつある。これらのモジュールは一般に「トランスポンダ」と呼ばれている。極めて単純化した見方をすると、トランスポンダは、SerDes機能を従来のトランシーバに移している。こうしてパラレルインタフェースを提供するようになる。こうしたモジュールを「SerDesトランシーバ」と呼ぶ人もいる。

SerDesトランスポンダは、デュプレクス光コネクタではなく、2ファイバピグテールを持っている。

「トランスポンダ」という用語は、2つの異なる波長の変換、というようなことを指していると捉える人が多い。トランシーバ(2.5Gb/s10Gbps)の世界では、「トランスポンダ」が意味するのは一般に、より高い機能のトランシーバだ。この分析の目的のために、上の区別はそのまま維持しておくことが必要だ。エレクトロニキャストは、シリアルトランスポンダとシリアルトランシーバをいっしょにカウントしている。

4-レーントランシーバ

マルチレーンとトランシーバソリューションが10Gb/sアプリケーション用に開発されている。そうしたソリューションでは、エレクトロニクスとオプトエレクトロニクスは、1/41/3のアグリゲーションレートで動作する。マルチレーンの電気インタフェース(XAUI)はトランスミッタへの最も端的なアプローチとしては、シリアルトランスミッタとレシーバを各レーンで置き換えたに過ぎない。その結果、パラレル光トランシーバ(アレイトランシーバ)となっている。このソリューションではリボンファイバケーブルが必要となる。各方向で4ファイバを使用する。その代わりに、エレクトロニクスはシンプルになり、動作速度を落とすことができる。

 4レーンとデュプレクスファイバトランシーバを利用するソリューションのカテゴリーは、W(C)WDMトランシーバだ。こうしたソリューションは、ケーブルアセンブリのコストを下げることができるが、代わりにモジュールに光MUX/DEMUXを搭載することになる。各ファイバで4波長を伝送し、それぞれ速度を落とすことができる。

トランシーバタイプのコンポーネントフォーキャスト

 10Gbpsデータコムトランシーバ(PMD)では6種のソリューションが複数のアプリケーションを巡ってシェア争いをすることになる。2001年には、プロトタイプとOEMテスト用に出荷されたにとどまった。図1に示したように、出荷量は2003年で225000ユニット。今後数年で高成長が予想され、2007年にはトータルで690万ユニットに達する。さらに2012年には1840万ユニットとなると予測している。3つの異なる850nmトランシーバは、この予測期間で全需要の約半分に達するものと見ている。これは、1Gbpsでマルチモードソリューションが85%を占めているのと比べると、ずいぶんと少ない。

Figure 1
Summed Global Consumption Quantity Forecast By Transceiver Type

10Gbpsシリアル1310トランシーバが市場をリード

10Gb/s1310nmシリアルトランシーバは、他のトランシーバはタイプに比べると金額ベースで消費需要が優位に立っている。シリアル1310nmトランシーバは、2003年の市場シェアは65%以上。2012年には、シリアル1310nmのシェアは市場シェアの45%以上となって市場リーダの地位を維持する。

10Gbpsデータコムトランシーバの6タイプの金額ベースでのセグメンテーションは、数量ベースで見たセグメンテーションと甚だしく異なっている。単価が下がっているため、3つの850nmバージョンは全消費金額の半分以下となる。金額的に見て、データコム市場では初めてウエートがシングルモードに移ることになる。