特別寄稿:

フォトニックスイッチ市場トレンド

By Stephen Montgomery, President of ElectroniCast Corporation

 今回のレポートでは、オールオプティカル(Photonic)スイッチを選んでそのトレンドを概観した。ここで言うフォトニックスイッチとは、光スイッチコンポーネント(またスイッチファブリック、スイッチエレメント、個々の光スイッチを指す)O-O-Oスイッチ装置サブシステム、装置、独立した個別のデバイス/モジュールを指している。

 2008年までに、「グリーンフィールド」(新規)と「ダークファイバ」の利用で、光クロスコネクト(OXC)OADM(Optical Add/Drop Multiplexing)の導入が大きく増えることになる。したがって、OXCOADM、光スイッチポートに用いられるオールオプティカルのコンポーネントの消費需要が伸びる。個々の光スイッチとして独立に用いられるコンポーネントも同様である。このような状況をもたらすのは、光伝送、アクセスネットワーク、主に通信の拡大である。軍や航空関係も、特殊/測定市場セグメントと同様に著しい成長を見せると考えられる。

 現状のOEO (Optical-to-Electronic-to-Optical)スイッチの限界は、データレートが限られていること、データプロトコルに対してトランスペアレントでないこと、マルチ波長に対して複雑でありコスト高であること、パワーコンサンプションが大きいこと、それにファイバの光信号のすべてをトランスペアレントに通せないことなどである。加えて、技術と製造の点で進歩が見られることから、パフォーマンス、信頼性、サイズ、パワーコンサンプションの点で優れたフォトニックスイッチが、チャネルあたりのコストが著しく下がっている。

光スイッチング対エレクトロニクスのスイッチング

 O-O-Oもしくはトランスペアレント、つまりフォトニックスイッチングが市場でどのていど受け入れられているか、成長率はどうかなどは、光スイッチング技術と電気のスイッチング技術を競合させてみると分かりやすい。現在進行中のダイナミックな競合は、光分野におけるスイッチング機能のパフォーマンスから、OEO変換、電気のスイッチング機能まで存在する。

 オールオプティカルスイッチングによってスイッチは、それがサポートしている伝送メディアである光ファイバと同等のパフォーマンスを持つことになる。しかし、フォトニックスイッチは技術的にはまだ成熟していない。長期的な目で見ると、フォトニックスイッチングが通信システムの高速スイッチでは優位に立つスイッチング技術となることは明らかである。そこに至る間では、一つは技術だが、今ひとつは特定のアプリケーションからの要求に対して最も低コストソリューションを提供できることでそれぞれの市場における成長速度が決まってくる。

 2004年では、1Gbpsデータ伝送レート以下では、ほとんどのアプリケーションで、OEO側に分があることは明白だ。高信頼、低コストの製品は、必要なだけいつでも手にはいる。データ伝送速度が10Gbpsになるに連れて、多くのアプリケーションではコスト面でフォトニックスイッチソリューションが極めて優位になりつつある。フォトニックスイッチソリューションは、それを通過する伝送レートに対してトランスペアレントであるという利点がある。つまり、アップグレードに対応できることを意味している。言い換えると、スケーラビリティあるいは成長対応性をもっている。これはOEOにはない特徴だ。また、フォトニックスイッチは一つのスイッチコンポーネントがいかなるデータレートでもデータフォーマットでも使用することができる。

通信ボトルネックによってフォトニックスイッチ市場は成長する

 フォトニックスイッチングの市場への浸透に加速度を与えるメインファクタは、通信ボトルネックが情報の伝送から情報のルーティングへと移ってきたところにある。WDMDWDMによる情報伝送技術はデータ伝送のボトルネックという問題を解消した。しかし、WDMDWDM情報伝送技術はルーティングに対する要求を緩和できていない。そうではなく、複数のデータストリームを運ぶファイバが、音声/データネットワークのルーティング機能をより難しくしているのだ。情報のルーティング能力の要となる要素がスイッチングだ。

システムパフォーマンスのモニタ

 通信で用いられている複雑な光システムを管理、制御するためには、システムのパフォーマンスをアクティブにリアルタイムにモニタできることの利点は非常に大きい。通常、モニタリングは伝送ファイバの複数点でデータストリームをサンプリングすることで行われる。一つの1×Nスイッチ(Nはいくつでもよい)があると、ひとつの測定器がN本のファイバをモニタすることができる。1×Nスイッチは直接データストリームの中に存在するわけではないので、インラインスイッチに求められる信頼性やパフォーマンスほどの厳しさは必要ない。現在、手に入る1×Nメカニカルスイッチの中には、コスト/パフォーマンスという点でこれらの要求を満たしているものもある。光スイッチは、すべてのサンプル情報を測定器に忠実に伝送する。OEOソリューションは、ファイバの信号の一部をモニタされた信号として通すだけである。光スイッチは、ファイバのデータレートが増えたからと言って帰る必要がなく、光ファイバのデータフォーマットに対してトランスペアレントである。

波長選択スイッチ

 現状の通信システム、データシステムで用いられている用語をベースにしてコンポーネントをカテゴライズしておこう。予測期間(20032013)で、システムアーキテクチャの主役が変わる。この変化にともない、装置の中には名前が変わってくるものもあるだろう。しかし、システムで要求される機能は、技術をベースにして決まるものだ。DWDM技術は、一つのファイバの多くの波長を選択的に加え、取り除き、ルーティングすることができるシステムを常に必要とする。こうした機能に対する要求は今後もなくならないであろう。したがって、フォトニックスイッチングのように急速に変化する市場で10年におよぶ長期の予測に合理性が出てくることになる。

 DWDMによって、光ファイバ一本が80以上もの個々の信号を通すパイプを実現した。それまでのファイバと信号との一対一の対応をなすシステムからの大きな変化だ。DWDMとは、最も基本的な意味で光スイッチングが一本のファイバないでの波長のスイッチングを意味しているであって、ファイバ内でのすべての信号の全面的なスイッチングではない。データ転送システムではあるポイントでは、ファイバを走る個々の波長を落としたりルーティングすることが必要になる。この機能がスイッチや別の波長選択装置によってなされるかあるいは波長選択スイッチング機能をもつスイッチによって実現されているかだ。波長選択スイッチングは、DWDMを採用した帰結として必要となったと言える。

 初代の波長選択メカニカルスイッチはすでに商用で手にはいる。波長選択光スイッチは正しくDWDM市場向けだ。短期的には、これらの製品の最初のアプリケーションは一つの一つの波長、一つのバンドをADD/DROPしたりバイパスすることだった。あるいは異なるDWDMネットワークの変化する波長スペーシングに関連して櫛形構造でインターリーブされたサブバンドをADD/DROPしたりバイパスすることだった。

 半導体アンプ(SOA)ベースの波長選択スイッチはクオリファイされたテレコム製品として手にはいる。SOAスイッチは付加機能として、波長の読みとりというような進んだ特徴を集積するのに適している。

2008年で82100万ドルの消費需要

 世界のメカニカルフォトニックスイッチコンポーネント/モジュール(ソリッドステート、非機械式スイッチとスイッチマトリックスを除く)は、2003年の13900万ドルから2008年には82100万ドルに堅調に伸びていく。

表キャプション

メカニカル光スイッチコンポーネント/モジュールの世界消費需要フォーキャスト
(Value Basis, $Million)

Fiber Input/Output

2003

2004

2005

2006

2007

2008

Singlemode

101

134

189

274

411

631

Multimode

 38

 51

 69

 95

135

190

Total Consumption($, Million)


139

185

258

369

546

821

Source: ElectroniCast Corporation  (www.electronicast.com)